過去15度の花園歴代最多優勝を誇る秋田工が3-52で東福岡に力負け。9大会ぶりの「花園8強」入りを逃し、東北6県の代表校が姿を消した。

1度もトライを奪えないまま、ノーサイドを告げる笛が鳴り響いた。秋田工の選手たちは涙ながらに抱き合い「ありがとう」。試合後、互いに感謝の言葉を送り合った。

伊東真吾監督(48)は「選手らは頑張ってくれた。花園に入ってからも、選手たちの成長を見ることができた。東福岡さんが強かった。強いチームと最後に戦うことができて良かったと思います」とねぎらった。

先制点を奪ったのは秋田工だった。前半2分。22メートル左中間からSO鈴木颯太主将(3年)がペナルティーゴールを決めた。だが、同9分に逆転トライを許し、終わってみれば計8トライを献上。49点差がついた。

鈴木主将は「(東福岡の)1人1人の能力が高かった。1対1で抜かれる部分もあった」と敗戦を受け止めた。

現チームは1歩ずつはい上がってきた。昨春の選抜大会では初戦敗退。一体感を欠き、チームはばらばら。鈴木主将は「苦しい時期が長かった」と振り返る。

結束力を取り戻すため、鈴木主将は仲間との対話に重点を置くようになった。「個性があって、言っても響かない選手が多かった。1人1人との話す時間を増やしながらアプローチしていった」と話し「継続して一体感を試合で出せるようになった。完成度は試合を重ねるごとに上がった」と強いリーダーシップでチームを1つにまとめた。

目標に掲げていた「花園8強」には、あと1勝届かなかったが、2大会ぶりの「花園2勝」を手にした。

「新チームになって全国で勝てなかったチームが最後に花園で2勝できたことは誇りです」と胸を張って、聖地・花園を後にした。

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