第二報道部オフサイド日記

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雪が「しんしん」と降っている

秋田は年末年始にかけて大寒波に見舞われ、昨日まで第2波の寒波だった。雪は真横や下から吹き付けてきた。
まさに雪と寒さとの戦いであり、冷凍庫の様だった。風がおさまり、静かに降る雪の夜は情緒がある。私の小学校時代の教科書に載っていたのを色紙に書いたものが出てきた。今の時期の「しっとり」した雪の夜にぴったりだ。せせこましい現代から少し離れてみよう。
情景は静かな田舎町の冬の夜の光景が想像される。

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「雪の日」
雪がしんしんと降っている。
町のさかな屋に、赤いさかな、青いさかなが美しい。
町には人通りも少なく、にわとりも鳴かない。
犬もほえない。
電燈をともしている郵便局に、電信機の音だけがする。
雪がしんしんと降っている。
雪の日は、いつのまにか、どことなくくれる。
こんな日は、山のけものや鳥たちはどうしているだろう。
あのやさしくておくびょうな鹿は、どうしているだろうか。
鹿は、あたたかい春の日ざしと、若草をしたっている。
こんな日の夜には、いのししが深い山の奥から雪の少ない里へえさをさがしにでてくるかもしれない。
お寺の柱に大きな穴をあけたきつつきは、どうしているだろう。
みんな寒いだろう。
すっかりくれてしまったのに、雪はまだしんしんと降っている。
家の中、夕げのしたくの汁のにおいがする。

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実は、この詩をインターネットで調べていったら作者は「田中冬二」という詩人だった。(明治27.10.13〜昭和55.4.9)田園的抒情詩を作る詩人で、この作品は昭和22年に作られた様だ。
プロフィル http://uraaozora.jpn.org/potanakahuyu.html

原文 http://uraaozora.jpn.org/potana4.html