第103回全国高校ラグビー大会は27日、東大阪市花園ラグビー場で開幕し、開幕カードの青森山田―高鍋(宮崎)の1回戦で、京都成章高2年の延原梨輝翔(りきと)さん(17)が主審を務めた。花園で高校生が笛を吹くのは初めて。 【写真】レフェリーを務めた延原さんの頼もしい姿 岡山県出身の延原さんは3人兄弟の末っ子で、2番目の兄は帝京大の秀飛選手(4年)。小学生でラグビーを始め、6年時に京都成章にいた秀飛選手を応援するため花園に駆けつけた。そこで、レフェリーの姿が目に入った。「一人だけ違うユニホームを着ているのがかっこよかった」と憧れ、中学の時に初めてレフェリーを経験した。 京都成章に進み、ラグビー部に入部したが、昨年冬、本格的にレフェリーを目指すために転向した。練習試合などで実戦経験を積み、今年6月、花園で主審を務めるのに必要なB級の資格を取得した。 試合では選手とコミュニケーションを取りながら冷静に判断し「60分間走り切れるのか、ちゃんとできるのかと不安があったが、無事に終わってほっとした。(出来は)100点です」と笑顔。「ワールドカップ(W杯)で吹きたい」と目標も語った。 日本ラグビー協会によると、審判育成のため、2019年から18歳以下でも花園で審判を務めることが可能になったという。W杯で審判を務めた経験がある、日本協会の久保修平レフェリーマネジャーは「花園はレフェリーの登竜門。選手にしっかりプレーをさせ、自分の持っている力を出してくれた。高校から大学、大学からリーグワンと次のステージに進んでもらえたら」と期待を込めた。【尾形有菜】