宮城の岩沼小学校5年生の算数の授業の記事が先日「河北新報」に載っていた。
この日の課題は百分率だ。
「1800円のぬいぐるみを30パーセント引きで買うと代金はいくらか?」という問題である。
最初の児童が1800円に0.3をかけて540円になった。「でも、安すぎるから間違っていると思います」と、自信無さそうに答えた。
先生は「同じ答えになった人は手を挙げて」と、たずねると約10人の生徒が手を挙げた。
次の生徒は、「540円は値引きした分なので、その分を引いて1,260円になりました」と答えた。
三人目の生徒は、「割引分が0.3だから、売値は0.7。その割合を求めて1,800円に掛けた。
この問題は、二人目、三人目の1,260円が正解。先生は「合っていたからいいとか、間違ったから駄目ではない。どのように考えたかが大事なんだ」と語った。
答えは同じでも、違った方法で解けることを示したい。こちらから一方的に公式や解き方を示すのではなく、友達の考えに学び、わからないことや疑問をすっきり整理して欲しい」と先生は授業の狙いを説明する。
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実は、これと同じ様な事が私が新入社員の研修の講師で経験した事がある。相手は小学生ではなく、全員が大学を卒業したばかりだたった。
例題はこうだ。
150万円の車を買い、金利5パーセントで100万円を5年間のローンで借りて、5年間の返済総額はいくらか? という例題を出した。
3割の新入社員は答えられなかった。
私はそれぞれ計算式を出させた。まさに宮城の岩沼小学校の算数の授業と同じ事をやっていたのだ。
もうひとつ同じような経験がある。パソコンのエクセルでの表計算だ。専門的には「絶対参照」とか「相対参照」、組み合わせて「複合参照」と言うらしい。割引後の算出方法で、まさに1800円のぬいぐるみ30パーセント引きの算式の入れ方だ。
(100%−割引率)を忘れられない。