秋田県大会 全国最多優勝の「秋田工」と45年ぶり決勝の「金足農」全国大会最多の優勝15回を誇る「名門」秋田工と、45年ぶりにこの舞台に勝ち上がってきた金足農による秋田県大会の決勝が行われました。立ち上がりいきなりチャンスをつかんだのは金足農、キックオフから鋭い出足でプレッシャーをかけて秋田工の22メートライン内側まで攻め込みます。ボールを継続しながら得点を狙う金足農、しかし、ここは秋田工が素晴らしい集中力をみせて踏ん張りました。FW陣が一塊となって押し返すと相手のペナルティーを誘ってピンチを脱出します。 その後は、敵陣で試合を進める秋田工。しかし、自陣でもキックを使わずゆっくりボールをキープしながら試合を進める金足農の前に、なかなか有効な攻撃につなげることができません。それでも15分、ディフェンスからつかんだチャンスをものします。素早い集散でボールを奪い返して金足農陣内22メートライン付近まで攻め込むと、ラインアウトからモールをつくって一気に押し込みます。最後はモールから抜け出したHO小玉斗真選手がトライ、待望の5点を先制しました。さらにその直後、金足農のカウンター攻撃に対して、再びディフェンスからチャンスをつかみます。FL金森珀選手が的確なヒットでビッグタックルを決めて相手のペナルティーにつなげると、FB安田心平選手の正確なタッチキックで敵陣深くまで攻め込みます。そして19分、またしてもラインアウトからモールを押し込んで、小玉選手がこの日2本目のトライ。10対0とリードをひろげて前半を折り返しました。
▼秋田工・澤木監督「落ち着いて試合を進めていこう」 手堅い試合運びで72回目の花園へ
ハーフタイムに澤木賢一監督が、「思ったような攻撃はできていないが、ディフェンスは機能している。無理(な攻撃は)せずに落ち着いて試合を進めていこう」と送り出した秋田工。後半に入っても、手堅い試合運びで金足農に付け入るスキを与えません。
後半3分、ラインアウトからのモールを押し込んで3本目のトライを奪って15対0とすると、その後は集中力抜群の固い守りで金足農の攻撃を寸断します。
内藤慎平監督の「残り30分、全部燃え尽きるまで(すべて)おいてこい」という言葉を胸に、懸命の反撃を試みる金足農ですが、最後までFW周辺での分厚いディフェンスをみせる秋田工の壁をうちやぶることができませんでした。
終盤にも立て続けに3つのトライを加えた秋田工、学校創立120周年を迎えた記念すべき年に、34対0で金足農を下して5年連続72回目の花園への切符を手にしました。