元日本代表から見た南アフリカ戦

 

今泉清(いまいずみ・きよし)1967年(昭42)9月13日、大分市生まれ。6歳で競技を始め、大分舞鶴高ではフランカー早大でBKに転向した。華麗なステップと正確なプレースキックで、大学選手権2回、日本選手権1回優勝。ニュージーランド留学後、サントリー入り。01年の引退後は指導者や解説者など幅広く活躍している。日本代表キャップ8。(元日本代表)

審判さえ欺いた南アの出足、経験差に泣いた/今泉清

前半、相手スクラムを崩し、反則を奪って雄たけびを上げるフッカー堀江(中央)ら日本代表の選手たち

ラグビーワールドカップ(W杯):日本3-26南アフリカ>◇準々決勝◇10月20日◇東京・味の素スタジアム

日本のバックス陣が、南アフリカとの経験の差に泣いた。

相手の出足が早かったのは、オフサイド気味だったから。私の目には完全にオフサイドに映ったが、審判が笛を吹かなければペナルティーにはならない。全員がオフサイドラインよりも1歩ずつ前に立ち、さらに飛びだすタイミングも早かったと思う。

ただ、うまいのは、それを全員がきれいにそろってやること。1人だけが飛びだせば文句なくオフサイドになるが、ラインがそろっていると審判もとりにくい。そういう駆け引きを巧みに使ったところが、W杯上位常連国の経験なのだ。

日本のラインは浅く、立ったままパスが回ることが多かった。相手がオフサイド気味に飛びだしてくるなら、それに合わせて1歩立ち位置を下げるべき。相手もタックルの的を絞れなくなるし、突破もしやすくなる。課題だったキック処理を完璧にこなし、準備はできていた。だからこそ、審判さえ欺くような経験の差で負けたことは残念でならない。