誰にも聞けない葬儀の値段

新聞の「お悔やみ欄」で同世代の人が亡くなった記事を見ると、ショックを覚える。
人間、100%通過の道だ。

そこで、我が第二報道部特捜班は秋田市の平均的葬儀の値段を徹底究明した。

生前に葬儀の見積書を複数の葬儀社よりとっておく人は、よほどの心掛けが良い人だ。葬儀社では「生前見積」をPRしているが、そこまでやる人はめったにいない。生前に墓地を用意する人は、たまにいる。

通常、臨終からが仏事のスタートであるが、それでは遅いのだ。急死の場合は別として、そろそろ家族が「危ない」と思ったら行動に移るべきなのである。不吉とか縁起が悪いなどと言っていられない。現実が迫っているのだ。

まず、葬儀社と葬儀場を事前に決めておいた方が良い。 これが、最初の関門だ。
簡単に費用を出してみよう。地域や宗派によって若干異なるが、一般的な仏事の場合だ。
まず、病院で亡くなった場合は病院から自宅までの搬送料だ。24時間、葬儀社が対応してくれる。距離にもよるが3〜5万円だ。深夜の場合は割り増しもある。
次に、自宅に安置しての枕飾が4〜7万円、納棺費用が20〜25万円、映画で一躍有名になった「納棺師」が、顔には化粧をして、死装束に着替えさせてくれる。オプションで「バスタブ」でのシャンプーもある。顔写真代が4〜6万円、棺は4〜10万円の3種類ほどの価格の段階がある。
火葬が終わり、自宅の祭壇が20〜50万円、火葬場までの霊柩車が4〜7万円、秋田市の火葬の場合、午前10時、正午、午後2時の3回なので、正午の火葬の場合は火葬場での昼食代や飲み物代、正午以外でも火葬場での飲食代が必要だ。火葬の待機1時間半は、飲酒する慣わしもある。火葬後の通夜(秋田では、お逮夜と言う)での飲食代(一人3千円前後)も必要だ。ここまでがお逮夜の費用だ。
次に葬儀だ。葬儀場を借りる場合は、会場使用料が祭壇付きで50〜70万程がかかる。そのほか祭壇への供物、 ロウソク、 線香、 花代等が5万円程度だ。看板、司会者を頼めば別途費用だ。
以上が固定費と考えてほしい。年金生活の人には大変な事だ。そんな場合は、市町村の窓口で相談すれば、祭壇を無料で貸してくれるところもある。

自宅で家族葬(密葬)となれば、葬儀場の会場費は不要となる。お寺での葬儀の場合は会場費が2〜5万円程度だ。それでも50万円程度は最低かかる事になる。
葬儀社の会員になっていれば、その中から割引制度が適用される。
次に葬儀に来た会葬者への御礼の会葬品だ。一般的には1000円〜1,500円程度のお茶、海苔などが多い。

葬儀後の中陰法要(葬儀当日の35日法要)が一番頭の痛いところだ。招待者を選定して連絡し、席次を決めなければならない。どの範囲までにするかを喪主は「遺体」をそっちのけで決めなければならない。「遺体」は、そばで何も言わない。
私の父が亡くなった時は、法要案内者へは、案内状のハガキを直接持参して届けたものだ。
法要の「お斎(おとき)」、<秋田では直会(なおらえ)とも言う> いわゆる 「お膳に座ってもらう人」 の会食のお膳料理が9千円〜1万2千円と飲み物代だ。そのほかに引き出物が5千円程度となる。
そのほか葬儀社以外にかかる費用として、忘れてならないものに、お寺さんへお布施と戒名(又は院号)だ。
臨終後の「枕経」から葬儀、中陰法要までのお布施は地域とお坊さんの人数によるが、お坊さん一人当たり20〜30万円程度だ。
そのほかに戒名(院号)が20〜40万円程度かかる。
不謹慎と思われるかも知れないが、香典との最終精算に、喪主は頭を悩ます。49日が過ぎれば、法要に招待しなかった方への香典の額によっての香典返しも忘れられない。法要出席者への引き出物相当の品が多い。
一般的には、会葬、香典返しの品の価格の目安は「半返し」と言われ、香典の半額だが、それは上限と考えても良いと思う。
例えば、5千円までの香典の会葬者には一律、1千円〜1千500円程度の会葬品、それ以上については別途、香典返しの品を送る場合が多い。中陰法要に招待した人には、引き出物を出すので後日、香典返しは不要とされている。
香典は、3千円、5千円、1万円、2万円、3万円、の区切りの場合が一般的だ。6千円とか8千円、1万2千円とかの半端な金額は、まず無い。
北海道では、葬儀の受付で香典の金額を確認し、領収書が渡される。
東京では、受付で、香典袋の中身を確認する場を見たことがある。会葬者が勘違いして中身が空の場合があるからの様だ。地域によって、さまざまだ。
お寺の無い人は、あらたにお寺の檀家にならなければならない。「入檀料」が10万円程度だ。
一段落すれば位牌と、お墓の無い人はお墓を、仏壇が無い人は仏壇を、その他、お寺の本堂に「ミニ仏壇」のお位牌場(5〜10万円)を用意する場合もある。

※以上は、あくまでも私の経験からの算出なので、地域・宗派・葬儀社により異なるし、最近は秋田流に拘らない場合も増えてきている事を付け加えたい。
参考までに、ペットの場合は、専門の祭壇でのテープによるお経、火葬、共同墓地埋葬、トバ板付きで6〜7万円程度で、個別にお墓を建てる場合もある。お墓には「我々を癒してくれてありがとう」の文字のものもあった。